- ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック閉会式 「美の躍動」がべローナを彩り、フランスアルプス2030 へバトンをつなぐ
出典 MilanoCortina2026/Olympicscom 以下
ミラノ・コルティナ冬季五輪2026は、92の国と地域から約2900人が参加し、8競技116種目でメダルを争った氷と雪の祭典は17日間の熱戦を終え、2月22日、閉幕した。
閉会式は、「美の躍動」をテーマにして、ベローナの世界遺産、べローナ・オリンピック・アレーナで行われ、音楽、芸術、スポーツが一体となった華やかな舞台が彩られた。オリンピック旗はフランスアルプス2030に手渡された。冬季オリンピック史上初めて、2つの異なる都市でオリンピック聖火台が同時に消灯されるという歴史的な演出も行われた。

- 閉会式の舞台は、イタリアを代表する歴史的建造物 アレーナ・ディ・べローナ(Arena di Verona)
閉会式の舞台は、イタリアを代表する歴史的建造物のひとつであり、古代オリンピックの時代から続く1世紀のローマ時代の円形闘技場(ユネスコ世界遺産)、アレーナ・ディ・べローナ(Arena
di Verona)で行われた。北イタリアの4つのクラスター(会場群)で2週間以上にわたり行われた熱戦を経て、選手と国・地域を超えて築かれた結びつきと団結を祝福するフィナーレとなった。
さらに、冬季オリンピック史上初めて、2つの異なる都市(ミラノとコルティナダンペッツォ)でオリンピック聖火台が同時に消灯されるという歴史的演出が行われた。これは、複数都市開催という今回の大会の新たななモデルを象徴する別れの一幕となった。
- 旗手が始めに入場し、パレードが始まる
閉会式は、旗手がはじめに入場し、最後のセレモニーがはじまった
格式ある儀礼に沿って幕が明け。まず開催国であるイタリア国旗がべローナ・オリンピックアリーナに運び込まれ、国歌が演奏される中、イタリア国旗がオリンピック旗と並んで掲揚された。
続いて、各国・地域の旗手たちによって代表団の旗が次々と入場し、会場は色鮮やかに彩られた。旗が揃うと、選手たちも入場。これはメルボルン1956大会以来、閉会式で受け継がれてきた伝統的なパレードの形式だ。
旗手と選手の入場が終わった後、ようやく最後の競技が中心舞台に戻る。ミラノ・コルティナ2026の最後の表彰式が行われ、男女クロスカントリースキーのマススタートのメダルが選手に授与された。
- 閉会式のテーマは『美の躍動』
「美の躍動(ビューティ・イン・アクション)」をテーマに掲げた閉会式では、イタリアの文化遺産、特にオペラの伝統を紹介しつつ、オリンピックならではの別れの儀式を融合させ、選手たちがフィナーレの中心に位置する演出が行われた。
この舞台は大規模に展開され、ステージには約2,000人のパフォーマー、歌手、音楽家、ダンサーが出演し、さらに800人の制作クリエイティブスタッフと400人の技術スタッフが200回の制作会議を経て支えた。べローナ・オリンピックアリーナ内には、6,334平方メートルのステージと1,500平方メートルのLEDが設置され、440基の照明設備と、同会場で初めてとなるフライングシステムも導入された。
- 古典と現代が力強く調和するイタリアの文化がモチーフ
- 閉会式は、夢と現実の間の物語がステージで描かれる。「ビューティ・イン・アクション」というテーマのもと、オペラ、音楽、ダンス、映画、デザイン、テクノロジーが融合した演出で、あらゆる形で現れる「動きの中の美」を讃える。ショー全体を通して、古典と現代が力強く調和するイタリアの文化・芸術の豊かさを表し、美を感動へと変えるイタリア人の創造力を表現する。閉会式を手がけるのはイタリアの優れたアーティストたちである。
閉会式のオープニングは、「椿姫」で始まった。アイーダ、リゴレット、蝶々夫人が登場するという独創的な世界観の繰り広げられた。ピンクの着物風の衣装を着た蝶々夫人を演じたのは日本人。熊本出身でイタリアを中心に活動し、現地でドラマ出演などもしている市川純が登場。現地では「ハリー・ポッター」や「バットマン」などの主要な映画の声優も務め、昨年の大阪・関西万博ではイタリアのアンバサダーも務めた。公式資料によると「世界で最も成功した日本人100人の1人」にも選ばれたという。
ミラノ・コルティナ2026組織委員会が最初に出演を発表したのは、世界的バレエダンサーのロベルト・ボッレ(Roberto Bolle)、優雅さと力強さを併せ持つ彼はその卓越した感性とスキルを舞台に持ち込む。
Roberto Bolle とJoan Thiele/ballet corp
Roberto Bolle とJoan Thiele/ballet corp
アキッレ・ラウロ(Achille Lauro)
シンガーソングライター、ヒップホップから始まり、ロック、ポップスなどイタリアの現代音楽シーンを象徴するアーティスト、アキッレ・ラウロ(Achille
Lauro)、俳優のベネデッタ・ポルカローリ(Benedetta Porcaroli)
、そしてDJでありプロデューサーのガブリー・ポンテ(Gabry Ponte) などが出演した。
- 閉会式の制作チーム
- 制作チームは、Filmmasterのアルフレド・アッカチーノ会長の指揮のもと、以下のメンバーで構成される。
• アドリアーノ・マルテッラ(Filmmaster クリエイティブ・ダイレクター)
• ステファニア・オピパリ(Filmmaster ショーディレクター)
• ステファノ・チャミッティ(衣装デザイナー)
• ヴィットリオ・コスマ(音楽監督)
• ミケーレ・ブラガ(音楽監督)
• クラウディオ・サントゥッチ(舞台美術デザイナー)

聖火が消えた ミラノの「平和の門」の聖火台
- フランスアルプス2030「新たな夜明け」
次期開催国への正式なオリンピック旗の引き継ぎは、閉会式の感動的なハイライトとなった。
オリンピック旗が降ろされた後、ジュゼッペ・サーラ(ミラノ市長)とジャンルカ・ロレンツィ(コルティナダンペッツォ市長)からIOC会長コベントリーへ手渡され、さらに次期開催地フランスアルプス2030を代表して、ルノー・ミュスリエ(プロヴァンス・アルプス・コート・ダジュール地域圏議長)とファブリス・パンヌクック(オーヴェルニュ・ローヌ・アルプス地域圏議長)へと引き継がれた。続いて短編映像が上映され、次回大会の雰囲気をいち早く伝えた。
フランスアルプス2030を代表して、ルノー・ミュスリエ(プロヴァンス・アルプス・コート・ダジュール地域圏議長)とファブリス・パンヌクック(オーヴェルニュ・ローヌ・アルプス地域圏議長)へと引き継がれた。
「新たな夜明け」と題されたこのプログラムでは、アレンジされたラ・マルセイエーズとシンプルなモチーフを組み合わせ、アリーナ内の中心から光が徐々に広がり、まばゆい「太陽」となって輝く様子が描かれた。その光はべローナを越えアルプス山脈へと広がり、モンブランに降り注ぐことで、4年後に控える冬季オリンピックの舞台の壮大さを予感させる演出となった。
- カースティ・コベントリー会長が大会を締めくくり、未来を見据える
挨拶をするコベントリーIOC会長
閉会式の後半には、コベントリーIOC会長は選手たちに向けて言葉を贈った。
「皆さんは本当に素晴らしかった。ひとりひとりが勇敢で、恐れを知らず、心と情熱にあふれていました。雪と氷の上で全力を出し切りました」
過去2週間を「忘れられない2週間」と振り返り、選手たちは「卓越、尊敬、友情とは何かを示してくれました。これらの価値を忘れがちな世界の中で」と称賛した。
また、各会場の雰囲気を形作ったボランティアたちにも敬意を表した。
「皆さんの笑顔、優しさ、エネルギーが、この大会に情熱的な雰囲気を与えてくれました。ボランティアの皆さん、ありがとうございます」
コベントリーIOC会長の横に立ったジョヴァンニ・マラゴ(ミラノ・コルティナ2026組織委員会会長)も、この大会を象徴する「精神と人間性」について語った。
「この大会は、スポーツでの偉業と個々の挑戦が交錯する、情熱と感情がひとつに溶け合う非凡な万華鏡のようなものだった」
「大会に触れ、情熱をもって参加した多くの若者たちに思いを寄せます。スポーツを通じて別の世界が可能であることを示すことができました。このメッセージは力強く響き、これからも長く受け継がれていくと信じている」
閉会式がクライマックスに近づく中、コベントリー会長はオリンピックの伝統に則り、正式に大会を締めくくる言葉を述べた。
「親愛なる友人たちよ、ここにミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックを閉幕することを宣言します」
「伝統に従い、4年後にはフランスアルプスで、世界中の若者たちが再び集うことを願います。2030年にお会いしましょう」と述べた。