リオデジャネイロ五輪 国際放送センター(IBC) PPPスキーム 民間資金で整備

五輪メディア戦略の中核 IBC/MPC メディア関連施設
国際放送センター(IBC)、メイン・プレス・センター(MPC)(IBCの左脇の中層ビル)、メディア用ホテル(24階建て高層ビル)がオリンピック・パーク内に建設された 出典 Rio2016
出典 Architecture of the Games
Rio2016オリンピック・パークの全景 出典 Rio2016
 IBC/MPC関連施設は、オリンピック・パークの中に建設され、総面積約110,000平方メートルを占める。その内、IBCは総面積約85,000平方メートル、IBC Main BuildingとIBC Office棟が建設された。
IBC Main Buildingは総床面積68,000平方メートル、2階建で高さ21メートル(1階12メートル、2階8メートル)の巨大な建物で、オリンピック関連施設の中で最大である。
 IBCには、コントロール・ルーム(CDT:コントリビューション・ディストリビューション・トランスミッション)、伝送設備、収録設備、編集室、オーディオ・ブースなどが設置される。各放送機関(RHBs)向けの専用スペースとして、5,000メートルの放送機関エリアが12カ所、整備された。IBCのオペレーションを行うのはOBS(オリンピク放送機構)。
 IBC世界各国のオリンピックの放送権を持つテレビやラジオ局関係者(RHBs:Rights Holder Broadcasters)が約7,000人の参加が見込まれた。完成したIBCメイン棟 出典 Rio2016
完成した国際放送センター(IBC) 組織委員会に引き渡される 出典 Rio2016
 一方、新聞、雑誌、インターネットなどのメディアが取材拠点とするMPC(Main Press Center)は、総面積約2万7000平方メートル、IBCに隣接する別棟として設置され、競技結果などの情報提供をするインフォーメーション・デスクやメディア席や電話、インターネットなどが整備され、約6000人が参加予定だ。
IBC/MPCの共用施設として、会議室、レストラン、銀行、郵便局、トラベル・エージェント、コンビニなども設けられる。IBC/MPCは、24時間体制で運営される。IBCとは回廊で結ばれている。
 IBC/MOCに併設してメディア関係者宿泊用の24階建、404室の国際ホテル棟も建設された。
 2015年11月8日、IBCの建物が完成し、建設を進めていたリオデジャネイロ市からリオデジャネイロ五輪組織員会に施設が引き渡された。以後、IBCのシステムを担当するOBS(Olympic Broadcasting Services )がシステムの設営作業を開始する。

 IBCには、世界各国のオリンピックの放送権を持つテレビやラジオ局関係者が約14,000人の参加が見込まれ、内、OBSのオペレーション・スタッフが7,100人働く。
コントロール・ルーム、伝送設備、スタジオ、メディア・ブースなどが設置される。またMPCには新聞、雑誌、インターネットなどのメディア人が参加し、競技結果などの情報提供をするインフォーメーション・デスクや電話、インターネットなどが整備され、約7000人が参加予定だ。IBC/MPCの共用施設として、会議室、レストラン、銀行、郵便局、トラベル・エージェント、コンビニなども設けられる。IBC/MPCは、24時間体制で運営される。
 併設してメディア関係者宿泊用の404室の国際ホテル(24階建て)も建設される。
 2015年11月8日、IBCの建物が完成し、建設を進めていたリオデジャネイロ市からリオデジャネイロ五輪組織員会に施設が引き渡された。以後、IBCのシステムを担当するOBS(Olympic Broadcasting Services )がシステムの設営作業を開始する。
OBSエリア   出典 OBS
Rio2016 IBC CDU  出典 OBS
Rio2016 IBC CDU  出典 OBS
IBC XT3 Wall   出典 OBS
五輪初 民間資金でIBC/MPCを建設
 IBC/MPC関連施設の整備は、オリンピック史上初めて政府の財源を使わない画期的なスキームで行われる。公民連携スキーム(Public-Private Partnership /PPP)を採用し、五輪初の民間資金を投入して建設した初めてのケースとなる。
 財源は、公民連携スキーム(Public-Private Partnership /PPP)の民間資金で賄わられ、大会終了後の運営も、民間に委ねられる。このプロジェクトは競争入札にかけられ、受注した民間の建設会社が、財源を確保して、建設工事を行い、五輪後の運営の責任を持つ。
当初計画では、国際放送センター(IBC)の、建設費は全額PPP(Package of Public-Private Partnership)スキームで民間企業が負担する予定だった。
しかし、建設途上で、空調設備や発電機の工事で巨額の経費増が発生し、リオデジャネイロ五輪組織員会が空調設備の2億レアル(約76億円)、州政府が4000万レアル(約15億円)を新たに負担することで合意した。
 その結果、現在のIBC/MPCの総建設費は、総額6億4000万レアル(現在の為替レート 約242億円)膨れ上がり、その内PPP(Package of Public-Private Partnership)スキームで民間企業の負担額は約4億レアル(約152億円)、組織委員会と州政府の負担額が2億4000万レアル(約90億円)となった。
 建設費を巡っては難題が次々と発生しているが、基本的にIBC/MPCのレガシーは、PPTスキームで担保されるのである。巨額の経費が必要で、巨大な施設となるIBC/MPCは、建設費の負担と大会後の施設をどう維持するのかが重要な課題である。リオデジャネイロ五輪の計画では、この課題を、PPPスキームを採用することで解決しようとした。
 リオデジャネイロ五輪のIBCは、五輪開催後、改装して国際会議センターや展示ホール、エギジビション・ホールなどで利用する商業施設となる。五輪開催後の運営を担うのは、PPTスキームにより民間企業のコンソーシアム、“Rio Mais Consortium”で、その手腕が問われる。
IBC Data
・放送権保有放送機関(RHBs)   32
・IBC参加放送機関数       105
・配信国際映像(OBS)      7,100+ (London 2012の約27%増)
・配信競技中継           2,800+(34競技場・イベント会場)
・Multilateral feeds        190(OBSがIBCで配信)
・unilateral feeds,(RHBs)   386(IBCでRHBsに配信)
・光ファイバー(IBC内)    総延長57km(マルチコア・ファイバー)
・Multi-Clip Feed(MCFs)(Sochi大会から導入)の拡充
映像素材Feed×10(18のVenueからFeed) を実施。別線カメラ映像(競技映像、俯瞰カメラやビューティカメラなどの別アングル映像、SSMやHSSM映像、ウオームアップエリア映像、インタビュー素材など)
・Olympic News Channel (ONC )  456
・MDS (Multi-channel Distribution Service)利用放送機関(RHBs) 52
・OBS Olympic Video Player(OVP)  56国と地域
・Cloud Service (100%Tapeless)開始  XT3サーバーを装備
・RHB Remote Production開始
・Video and Audio (VandA) package
VandA package 45 International TV Signalsをサービス
IP protocolsでもサービス.
・IBCの設営に使用するPrefabricated panels(プレハブ・パネル)は平昌冬季五輪2018で再利用。ケーブル類は再生させて再利用する。機材・資材総量は約50,000立方メートル、トラックで約3,000台分
 始
IBCの完成予想図 出典 Rio2016 OCOG