ロサンゼルス五輪2028 国際放送センター(IBC) NBCUのハリウッドオリンピック

Univarsal Studio 出典 NBC Univerasal

国際放送センター(IBC)
Paris2024 国際放送センター(IBC) CDU 出典 OBS
 LA 2024 は、オリンピック アジェンダ 2020 の理念に沿って、革新的な大会後のレガシーとなる理想的な IBC サイトを整備する。
国際放送センター(IBC)は、オリンピックの放送オペレーションの中核を担う施設、メディア対応を最重要視する国際オリンピック委員会(IOC)にとってIBCの設営・運営は最優先事項である。
IBCの設営・運営は、オリンピック放送機構(OBS)が担い、ロサンゼルス五輪組織委員会と協力してオペレーションを行う。Universal Studio  出典 Architectural Record
 ロサンゼルス五輪2028のIBCは、ロサンゼルス近郊のUniversal CityにあるNBCユニバーサルの施設内に設置される。 IBCの敷地面積は約85,000平方メートル、5 つの主要建物で合計約 52,000 平方メートルの放送オペレーション・スペースをOBSや放送機関等に提供する。
そのうち 4 つは NBCユニバーサルによって提供され、10 のサウンド・ステージで構成される。放送機関向けの専用オフィス・スペース、ケータリング施設、1,000台収容可能な駐車場が整備される、
5 番目の建物は LAOCOG によって提供される仮設施設。
 またLAOCOG は5 つの建物すべてに中 2 階のデッキを設ける工事を行い、追加の倉庫やトランスポート・モールも整備する。
 専用の IBC オフィスはメインスタジオビルに隣接して設置され、スタジオに直接アクセスできる。すべてのスタジオには完全な内部および外部アクセス ルートが確保されます。 6,000平方メートルの衛星ファームがIBCの南東に整備される。
 メインのメディア・ブリーフィングルームを含む残りのサポート施設はすべて、隣接する既存の建物に設けられる。Universal Studio Office Building  出典 NBC Universal
 NBC ユニバーサルは 、ロサンゼルス五輪2028開催決定に先立って、4 つのサウンド・ステージ・スタジオと隣接するオフィス・ビルを建設することを決定し、工事は2017 年に開始された。
大会期間中、LA 2024 は IBC 内に中二階を設けるなど、運営に必要なオーバーレイを提供し、床面積を 2 倍にします。メインスタジオの隣には、専用の臨時ケータリングおよびサポートサービス施設が設けられます。 さらに、トランスポート・モールや、1,000台収容可能なIBC専用立体駐車にも直結する。
IBCからすべての主要な大会会場へのスムーズなアクセスが確保され。オリンピック専用レーンを利用すると、すべての会場までの平均所要時間はわずか 30 分以内とされている。
 IBC プロジェクトは、ユニバーサル・スタジオの新しいスタジオ・スペースの拡張プロジェクトと一致している。オリンピック終了後、IBCの4 つの恒久的な建物は、NBC ユニバーサルのサウンド・ステージ、制作サポート、オフィス・スペースとして再び利用される予定である。
 LAOCOG が建設する5番目の建物については、NBCユニバーサルの新しい施設となるか、それとも解体して別の場所で再利用されるかは未決着で議論が続く。
 この新しい施設の遺産は、大会開催計画と地元ロサンゼルスの開発計画との整合性が確保されていて、オリンピック アジェンダ 2020 の理想的な成果となる。
 ロサンゼルス五輪2028のMPC は、最新鋭のジャーナリズム・スクールであるウォリス・アネンバーグ・ホールを中心にした一連の建物で、総面積は約 55,000 平方メートル、IBC は、5 つの主要建物に合計約 52,000 平方メートルの放送オペレーション・スペースを提供される。
 ロサンゼルス五輪2028は、NBCユニバーサルのメディア戦略と密接に結びついた形で開催されることになる。まさに“Hallywood Olympics”である。
五輪放送オペレーションの拠点 国際放送センター(IBC)
出典 国際放送センター(IBC) CDU 出典 OBS
 国際放送センター(IBC / International Broadcasting Center)は、世界各国。の放送機関等のオペレーションの拠点となる施設である。IBCの設営・運営は、五輪大会のホスト・ブロードキャスター(Host Broadcaster)であるOBS(Olympic Broadcasting Services :IOCの子会社)が行う。OBSのIBCの開設準備は通常26か月(約2年)前に始められる。
 IBCには、国際映像・音声信号のコントロール(Contribution)、分配(Distribution)、伝送(Transmission)、ストレージ(VTR Logging)、オフチューブ・コメンタリーなど行うシステムが設置されるOBSエリアや各放送機関等がサテライト・スタジオや放送機材、ワーキング・ブースなどを設置する放送機関エリアなどが整備される。SNGサテライトファームなども整備される。
Paris2024 国際放送センター(IBC) Logging Center 出典 OBS
OBSが配信する国際映像・音声信号
 OBSは、開閉会式などのイベントや全競技の国際映像・音声信号(ITVR:International Television and Radio Signals/World Feed)のライブ中継制作や信号の伝送、各放送機関等の専用ユニーポジションの設置やオペレーションの支援、記者リポートポジションやビューティカメラの設置、信号の伝送や配信などを行う。
 OBSのサービスを受けられるのはIOCから放送権を取得したMRHs(Media Rights Holders)で世界各地の放送機関やメディア企業30以上である。MHBsは世界100の国と地域の130超の放送機関やデジタル・プラットフォーム等にサブライセンスして映像・音声(ITVR)を配信する。
 この内、米国NBCユニバーサル、英国BBC、ドイツARD/ZDF、フランスTV、中国CGM、オーストラリアSBS、日本NHK/民放など約60の放送機関等は、IBC内に専有ポジションを設ける。その中で最大のスペースを占有してオペレーションを行うのは、毎回、米国NBCユニバーサルである。
 IBCにはOBSのスタッフ、約8000人がオペレーションを行い、放送機関やメディア企業などの関係者、6000~8000人参加する。
  IBCの設営は、電源、空調、光回線、機器設営用仮設ラック、スペースの間仕切りなどオーバーレイ工事は大会組織委員会が担当する。東京五輪2020ではMPCとIBC全体のオーバーレイに300億円近くが投入された。経費は、大会組織委員会の負担となる。
 これに対して、OBSはIBC内の放送機器や回線やケーブルの敷設、パーティションの設置などを行い、IBC機能の設営を担う。OBSが投じる経費は、中継経費も含めて、毎回、約350億円(推定)程度と思われる。
国際オリンピック委員会(IOC) 本部 スイス・ローザンヌ 出典 IOC
五輪にとってメディアは生命線
パリ五輪2024に集結したブロードキャスター 出典 IOC
 国際放送センター(IBC)に対してメインプレスセンター(MPC / Main Press Center)は、新聞、通信社、雑誌等の取材、編集拠点で、共用プレス席、専用ワーキングスペース、フォト・ワーキングルームなどが準備される。
 またIBCやMPCには、会見室・ブリーフィングルームを始め、レストラン、カフェ、銀行、宅配便、コンビニ、ツーリストオフイスなどが設置される。
 オリンピックの施設の中で、最も広大な施設は、開会式、閉会式が行われるオリンピック・スタジアム。次に巨大な施設は、競技場ではなく、IBC/MPCと呼ばれるメディア施設だ。合わせて約10万平方メートルの広さの広大な建物が整備される。
 IBCとMPCには、合計約2万人のジャーナリストやカメラマン、放送関係者などのメディア関係者が参加する。
 オリンピックを支えるメディアの果たす役割は極めて大きい。国際オリンピック委員会(IOC)は、メディア戦略を重要な柱として位置付けている。とりわけ競技中継を世界各国で行う放送メディアは、オリンピックの存立基盤を握るとまで言われている。国際オリンピック委員会(IOC)の総収入76億ドル(2017-2020/21)、その61%は放送権収入が占める。五輪のメディア戦略を担うのがIBC/MPCなのである。