- 複数として開催する「広域開催」 新設競技場はアースホッケー場一つのみ
- イタリア北部で行われるミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪大会2026は、膨張する開催経費を抑制しようとするとする国際オリンピック委員会(IOC)の改革の元で、初めて複数都市が組織委員会を作る「広域開催」で開催される大会で、今後のオリンピック開催の路線を示す大会となる。
大会は、オリンピックが2026年2月6日から22日までの17日間、パラリンピックは 3月6日から15日までの10日に渡って開催され、オリンピックでは新競技の山岳スキーを含む16競技116種目、パラリンピックでは7競技が実施される。93の国と地域から約3500人のアスリートが参加する予定である。
競技は、ミラノ(Milano)、コルティナ・ダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo)、バルテリナ(Valtellina)、バルディフィエメ(Val
di Fiemme)の4つクラスターとベローナ(Verona)の14競技会場で行われる。。開催エリアは約2万2000平方キロメートル、冬季五輪としては過去最大のエリアでの開催となる。
今大会で新設する競技会場は、ミラノ郊外のアイスホッケー会場、パライタリア・サンタ・ジュリア(Palaitalia Santa Giulia)、そのほかの施設は既存か仮設となる。
開会式は、ミラノにあるサッカースタジアム、メアッツァ・スタディオ(Stadio Meazza)、閉会式はベローナあるローマ時代の円形競技場、アリーナ・ベローナ(Arena
of Verona)で行われる。
出典 Milano Cortina2026
- ミラノ(Milano)クラスター
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- Meazza Stadium 開会式(Opening Ceremony)
出典 Milano Cortina2026
- スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(Stadio Giuseppe Meazza) は、イタリア・ミラノにあるサッカー専用スタジアム。世界に名を馳せているインテル・ミラノとACミランがホームスタジアムとして使用、管理・運用は両クラブが共同保有する企業、M-Iスタディオが行っている。
現在の観客収容数は75,000人(座席数)。
ミラノ市内にあるスカラ座にちなんで「カルチョのスカラ座」または「サッカーのスカラ座」とも呼ばれ、現存するスタジアムでは4番目に古く、かつ国内のサッカースタジアムでは最大の収容能力を持つスタジアムとなっている。
- 元々の名称は、スタディオ・コムナーレ・ディ・サン・シーロ(Stadio Comunale di San Siro)、略してサン・シーロと呼ばれて市民に親しまれていた。1980年、スタジアムの所有者であったミラノ市は現在の正式名称であるスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(Stadio
Giuseppe Meazza)へと改名したが、サポーターはこれを拒否、サン・シーロの名称を使い続けている。
- 老朽化が激しいスタジアムは、Milano Cortina2026の開会式を最後に、取り壊し、新しいスタジアムを建設する予定だった。しかし計画は行き詰り、所有者の市は、4層目を増設し、既存の施設を改修することをインテル・ミラノとACミランにを提案している。この計画がオリンピックとどのように連携するかは不明である。
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- Palaitalia Santa Giulia Ice Hockey Para Ice Hockey
出典 Milano Cortina2026
- パライタリア・サンタ・ジュリアはイタリア・ミラノ郊外のサンタジュリアに建設中の多目的アリーナ。2022年秋に着工し2025年完成予定で、完成すればイタリア最大のアリーナになる。2026年ミラノ五輪ではアイスホッケー会場として使用予定。観客収容数1万6000人。Milano
Cortina2026で使用する14の競技会場の中で唯一、新たに建設する施設で、建設費は2億5000万ユーロ(400億円)。
アイスホッケー競技は10年以上ぶりに、、北アメリカのプロアイスホッケーリーグ、NHL選手が大会に参加する予定で、Milano Cortina2026の注目競技になっている。
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- Milano Ice Skating Arena Short Track Figure Skating
出典 Wikipedia
- ミラノ・アイス・スケーティング・アリーナは、国際フィギュアスケート競技会や有名なスケートスクールの本拠地で、バスケットボール、テニスなどや、コンサートなど多様なイベントも催されている多目的施設。2026年には冬季オリンピックのショートトラックスピードスケートとフィギュアスケートの会場となる。観客収容数7500人。
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- Rho Fiera Milano Speed Skating, Ice Hockey
出典 Milano Cortina2026
- Rho Fiera Milano は、ミラノに本社を置くFiera Milano SpA社の見本市および展示会、会議会場。イタリア国内では最大規模の施設で、で世界でも第4位の規模を誇る。
フィエラ・ミラノでは毎年約70のイベント(そのうち約3分の1は直接主催)を開催し、約30,000の出展者が参加する。
Milano Cortina2026では、4つの展示場を使用して、仮設でアイスリンクを整備して、スピードスケートとアイス・ホッケーを開催する。
仮設アイスリンクの建設費は2000万ユーロ。観客収容数は、Ice Hockeyで1万2000人、Speed Skatingで6500人。
- コルティナ・ダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo)クラスター
出典 Milano Cortina2026
- コルティーナ・ダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo)は、イタリア共和国ヴェネト州ベッルーノ県にある、人口約5,800人の基礎自治体(コムーネ)。
ドロミーティ山脈の麓、アンペッツォ地方の中心地であり、登山やウィンタースポーツの拠点となるリゾート地である。1956年には、この町を中心に第七回冬季オリンピック大会が行われた。
コルティナには選手村が設けられ、最大 1,400 人の選手を収容できるプレハブのトレーラーハウスが設置される。トレーラーハウスはパラリンピックでも選手の宿泊に利用される。
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- Olympia Delle Tofane Alpine Skiing Para Alpine Skiing, Para Snowboard
出典 Milano Cortina2026
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- Cortina Olympic Stadium Curling Wheelchair Curling
出典 Milan Cortina d’Ampezzo 2026
- コルチナ・ダンペッツオオリンピック冬季五輪1956年で建設された木製のアイスアリーナは修復され、カーリングの会場になる。。
- Cortina Sliding Centre Bobsleigh, Skeleton, Luge
出典 Milano Cortina2026
- コルティナ ダンペッツォの新しいスライディング センターは、1968 年にグルノーブルでボブスレーで 2 度優勝した「空飛ぶ赤毛」のエウジェニオ
モンティ(Eugenio Monti)にちなんで名付けられた伝説のスロープのコース上に建設される。このコースは、1956 年の冬季オリンピックの会場であり、イタリアのアスリートたちの歴史的な偉業が数多く記録されている。観客収容数 3150人。
- 伝説の旧コースの上に新たなコースを建設するという「野心的」な計画は地元の関係者から出された。これに対し、国際オリンピック委員会(IOC)は、経費などを理由に強く反対して、オーストリアやスイスの現在稼働中の施設で開催するように勧めた。イタリア国内の環境保護団体も反対した。しかし、イタリア政府は、自国開催にこだわり、8160万ユーロ(約132億円)を投じて新たなコースを建設することを決め、工事企業に発注したところが工事はストライキなどで遅れ、IOCが義務付けている1年前に開催するテスイベントに間に合うかどうかが不安視された。IOCは間に合わない場合は、テストイベントは米国のレークプラシッドで開催すると通告した。結局、工事は間に合って3月下旬にテストイベントが無事、開催され、IOCや国際競技団体もこの結果を歓迎した。
- アンテルセルヴァ(Anterselva)
- Südtirol Arena (Anterselva / Antholz) Biathlon
出典 Milano Cortina2026
- バルテリナ(Valtellina)クラスター
- リヴィーニョは、スイス国境近くのレーティッシュアルプスの標高 1,816 メートルに位置する高い山々に囲まれた地域。ヴァルテッリーナ北部の「宝石」とも言えるこの町は、年間を通じて何千人もの観光客を迎え、山好きや高所スポーツ愛好家に人気の観光地となっている。
11 月から 5 月にかけては、100 km を超えるスキー場 (標高 1,800 メートルから 2,900 メートル) でスキーを楽しむことができる。また、スノーパークが多数あるため、フリースキーヤーやスノーボーダーにも人気がある。
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- Livigno Snow Park Freestyle Skiing, Snowboard
出典 Milano Cortina2026
- Livigno Areal Moguls Park Moguls
出典 Milano Cortina2026
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- Bormio Stelvio Alpine Skiing, Ski Mountaineering
- バルディフィエメ(Val di Fiemme)クラスター
- ヴァル・ディ・フィエンメの中央部にある町、テーゼロ(Tesero)は、人口約2,900人の自治体で、テーゼロ湖の近くにはクロスカントリースキーセンターがあり、これまで何回もノルディック選手権が開催されてきた。また文化、民俗イベントが開催され、職人による木工部門の中心地としても知られている。
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- Predazzo Ski Jumping Stadium Ski Jumping, Nordic Combined
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- Tesero Cross-Country Skiing Stadium Cross-Country Skiing, Nordic
Combined Para Cross-Country Skiing, Para Biathlon
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- ベローナ(Verona)
出典 世界遺産オンライン
- 街の中心部には古代ローマ時代の円形競技場跡があり、街の象徴となっているほか、中世の町並みがよく残っており、2000年には「ヴェローナ市街」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。シェイクスピアの戯曲『ヴェローナの二紳士』『ロミオとジュリエット』の舞台としても知られる。
- Arena of Verona Closing Ceremony
出典 Arena of Verona
- アレーナ・ディ・ヴェローナ(Arena di Verona)は、イタリアのヴェローナにある古代ローマ時代の円形闘技場。現在は夏期の屋外オペラ公演によって有名である。
"Arena"とはラテン語で「砂」を意味し、これは闘技あるいは演劇などの催される平土間部分に敷き詰められた砂に由来している。
長径139メートル、短径110メートルの楕円形のこの闘技場はローマ帝国初代皇帝アウグストゥス(在位 前27年~後14年)の統治末期か、あるいは遅くとも30年頃完成したと考えられている。もともとはローマ時代の都市を防御していた壁の外側に位置していたが、市域の拡張に伴い、現在ではヴェローナ市街地のほぼ中心に位置している。観客席は44段の大理石製で、当時の収容人数は約25,000人であったとされている。
- 1913年、ジュゼッペ・ヴェルディ生誕100年を記念して野外オペラ・フェスティバルの企画が実現、アレーナはヴェルディ『アイーダ』によりオペラ劇場として再出発した。以降、世界最大規模の(定期)屋外オペラ会場として有名になった。Milano
Cortina2026の閉会式では、どんな演出でフィナーレを飾ってくれのか楽しみである。
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