- リオデジャネイロ五輪開会式 「寛容」をテーマに表現
2016年8月4日、リオデジャネイロ五輪の開会式最終リハーサルがマラカナン・スタジアムで本番さながら進行で行われた。
開会式は約4時間、ダンスや光の芸術、花火、ブラジルの歴史が演じられ、有名人も登場する。
リオデジャネイロ五輪組織委員会は、会見で、開会式のコンセプトは、多民族国家ブラジルらしい人種や宗教の存在を表す「多様性」、地球の「自然」、世界を笑顔で迎える「喜び」の3点と述べた。
演出は多民族国家ブラジルらしい「多様性」と「自然」、「笑顔」の三つの柱から構成される。ファベーラ(貧民地区)での抗争を描いた映画「シティ・オブ・ゴッド」の監督で今回演出を担当するフェルナンド・メイレレス氏(Fernando
Meirelles)は、「これら三つの柱の上に『寛容』をテーマに表現する。現在、世界で起きている様々な問題を解決したいというメッセージを届けたい」などと意気込みを語った。
開会式の演出の指揮をとるメイレレス氏は、ブラジル・サンパウロ出身の映画監督で、2002年制作の映画「シディ・オブ・ゴッド(City of God)」は、2004年アカデミー賞で監督賞にノミネートされた。リオデジャネイロのファヴェーラ(スラム)の子供達の抗争を描いたこの作品は世界中で高く評価された。
さらに、メイレス氏は、「カーニバルは外せない」と語り、カーニバルが今大会の開会式のキーワードになるとした。
開会式にはサンバチームやプロのダンサー200人が出演。ボランティア約5000人が支える。
7月31日に行われた開会式リハーサルでは、特別に鑑賞することが許された観客が招待された。主催者側は開会式の内容について秘密を守るように約束をさせていたが、舞台の写真やストーリーの断片がネット上に流出する事態となり、地元紙も開会式の概要を報道している。
ブラジル出身のスーパーモデル、ジゼル・ブンチェンさん(Gisele Bündchen)が、ボサノバの名曲「イパネマの娘」役で登場する。ブンチェンさんが、リオの若く美しい女性について歌ったボサノバの名曲「イパネマの娘(The
Girl from Ipanema)」役で登場。「ファベーラ」(貧民街)出身の黒人の少年が演じる強盗に襲われる。警察官らに追われた少年がジゼルの元に逃げ戻ると、ジゼルは少年を守る行動に出るというストーリーである。
リオで発生する暴力行為について頻繁に伝えている地元紙ジア(O Dia)は、「美しく完璧な」ドレスリハーサルでもこのシーンは異色だったと報道。しかしある出演者はこの場面が式全体を台無しにしていると批判し、「われわれは苦言を呈した」「内容が変更されることを望む」と語ったという。(出典 AFP 2016年8月2日)
開会式は、現地時間、8月5日20時に、リオデジャネイロ、マラカナン・スタジアムで開幕する。
「イパネマの娘」を演じたジゼル・ブンチェン(Gisele Bündchen)
出典 Rio 2016(以下)





- 開会式の費用はロンドンの10分の1!
- 開会式を担当するのはブラジル映画監督フェルナンド・メイレレス(Fernando Meirelles)とプロデューサーのダニエラ・トマス(Daniela
Thomas)で、2012年ロンドン五輪の開会式の10分の予算で行うとした。
監督メイレレスは、「ロンドンのようにお金使うことは恥だ。この国では保健衛生や教育お金を必要としている」と述べた。
そして「だから私たちは狂ったようにお金を浪費しない。低予算で開会式を演出することを私は非常にうれしく思う。それがブラジルのために理にかなっているのだ。」と語った。
聖火リレー リオデジャネイロの第一走者はサンバ・ダンサーのSelminha Sorriso 出典 Rio2016
聖火リレーを歓迎する市民 出典 Rio2016